はるか昔、神秘の力を恐れ全ての人々から迫害された魔法族は大陸辺境の地へと逃げていく。
そこで汚染された水によって傷つき倒れていた水の神水龍を助けたことから魔法族は水龍の助力を得て
自らの国ティアリックマーレを作った。
水龍の力と魔法の力で永遠の平和を手に入れたティアリックマーレは、数ある戦争によって寂びゆく国から助力を求められるが
大陸の人間に怒りと恨みを持っていたティアリックマーレの人々はそれを断っていた。
それから何百年後かのティアリックマーレの王は、朽ちていく国々を哀れに思い
恨みを捨てて他の国にも自分たちと水龍の力を与える事を水龍に提案する。
水龍は友人の言葉に同意するが、汚染された水のせいで弱まっている力では
ティアリックマーレのように永遠の豊かを与える事はできないと伝えた。
では、自らの国の永遠を捨ててほしい、という王の言葉に、水龍は首を横に振った。
水龍は王の先祖である魔法族が自分を助けたからこそ力を貸した。
だからそれだけはできない、と。
王は再び問う、500年はできないかと。
水龍は言う、ひとつの国であれば可能だと。しかし全ての国に対する500年の力は難しいと。
では100年は。
水龍は首を縦に振った。
それから、王は全国にこの事を伝えた。
我らと一番近き存在になる国に500年の富を、他の国に100年の富を与えたい、と。
これがティアリックマーレの王族の伝統の始まりである。
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